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歌舞伎「風の谷のナウシカ 上の巻 ―白き魔女の戦記―」 [観る(舞台・映画・絵画 他)]

3年前に新橋演舞場で上演された新作歌舞伎。
通しで行われたその作品、今回はその前半部分を「上の巻」として歌舞伎座で上演。

「風の谷のナウシカ 上の巻 ―白き魔女の戦記―」

ナウシカを?
あの世界観をどうやって歌舞伎に?
ナウシカを演じるのは米吉さん?(そりゃ〜可愛いでしょう)

と、確かめるべく、チケットを手配。
3部だったので、仕事帰りに行ってきました。
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見事にあの世界観が歌舞伎になってました。
客層も普段よりぐっと若い。

歌舞伎といえば伝統芸能だけど、古典やお家芸を継承しつつ、新作にも積極的に取り組む
柔軟さがあるなぁと感じました。

幕に投影される美しい演出は物語の中に誘う。
邦楽で現代音楽を奏でる面白さと斬新さ。

ちゃんと立派な王蟲も登場し、ナウシカはメーベで空を飛ぶし。
テトもトリウマも登場し、その動物にまつわるエピソードもまんま描かれている。
すごいな。かなり忠実に再現されている。

歌舞伎の手法引き抜きで、ナウシカのピンクの衣装が一瞬で青に変化し、金色の布の上に立って「その者 青き衣をまといて 金色の野に降り立つべし」を表現した時は
「おぉ」という感嘆のため息が漏れた。

何より役者がハマってた。
菊之助さんのクシャナは品があるし、米吉さんのナウシカは柔らかく自然体で女の子にしか見えないし、
ユパ様も、食えないクロトウも、城オジのミトも、僧正もイメージそのまんま。
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大きな桜と細い月が背景のクシャナと母のシーンは美しかった。
赤ちゃん王蟲を抱くナウシカの幼少時代のシーン。王蟲の精の舞い。の、子役さんたちのシーンも良い。
幻想的で印象深いシーンとなっていた。

すごいなぁ。
機会があったらもう1回行っとく?と、思ったほど良かった。
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***
余談:
ただ、引っかかりを感じたところもある。
妹の最期をナウシカから聞いたアスベルは全然驚いてなくて、ふーんって感じの平常心に見える。この反応の薄さは「なんだかな〜」と思ったけどw
あと、原作漫画とか、アニメーション映画で「風の谷のナウシカ」を観たことのある人には理解できても
その世界観に触れてない人が初見で観ると戸惑いを感じるようだった。
お約束事が分かりにくいと言うべきか。
通路挟んだお隣は高齢女性の二人連れ(上演中の私語が本当にひどかった)がそんな話をしていた。
セリフの中に腐海とか瘴気とかいう耳慣れない名称が出てきて「?」だったに違いない。
きっと「粘菌」は、その音の響きで「年金」って違う意味で取っていたかもね。

音が同じでも、違う意味をたくさん持つ日本語ならではの難しさかもしれない。
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